長年患っていた痔の手術をするため入院してきました。
痔の入院って痛いのかな? 入院期間は? 費用はどれくらい?
いざ入院となると色々不安になりますよね。
そこでこれから痔で入院する方の参考になればと思い、初診から入院、そして退院までをブログにまとめてみました!
タップできる目次
痔の症状・状態
痔には痔核(いぼ痔)・切れ痔(裂肛)・痔瘻など様々な症例がありますが、僕は切れ痔でした。
切れ痔は女性が比較的なりやすい症状で、男女ともに一番多い症状はいぼ痔のようです。
僕は10年以上前から切れ痔で、痛みがあるときに市販の薬や病院でもらった薬で誤魔化していました。
しかし便器に血が滴りおちるくらいの出血と痛みが出るようになってしまい、これは手術したほうがいいのかなと思い、病院に行くことにしました。
入院期間はどれくらい?
入院期間は10日間。
入院2日目に手術をし、術後8日目の午前に退院することができました。
大体手術となると、どの症状でも10日間程度の入院になることが多いようですが、中には日帰り・短期入院で済む軽度の症例もあるようです。
費用は?
約13万(有料個室や食事代・パジャマレンタル代などを除く)
結構な金額に見えますが、高額医療費は所得に応じて限度額が定められているので、全額負担にはならないケースも多いです。
また、保険に加入していれば入院費・手術費が出ますので、自己負担額はそれほど多くならないと思います。
医療費の限度額に関しては「限度額適用認定証 お住いの市町村名」で検索してみてください。
初診から入院まで
初診
僕が訪れたのは神奈川で肛門の病院といえばここ!と言われるほど有名な松島病院さん。
地元にも肛門科の病院はありましたが、やはり専門病院のほうが信頼できると思ったからです。
一時間以上待ったでしょうか、いよいよ診察室へ。
ベッドの上で肛門を見せるように寝転ぶと、先生が指を入れて触診をします。
触診は切れ痔のせいで肛門が狭くなっていることもあり、多少痛みがありました。
診察の結果、ここまで悪化していると手術するしかないと言われ、入院に関する日程や検査日を決めることになりました。
大半の患者さんは手術ではなく、薬の処方で治る症状がほとんどのようですが、僕のように酷くなっている人は手術になるようです。
その日のうちに入院日・事前検査の日程を決めるとともに、血液検査をして、その日は終了。
事前検査
初診から一週間後、入院前の検査へ。
手術する前に、肛門以外の箇所、大腸などに問題がないかをチェックするためです。
行った検査は以下の3つです。
・胸部レントゲン
・肛門圧縮の検査
肛門に細い管を通して、そのままオナラをするイメージで肛門を広げたり、逆に力を入れて締めたりして、肛門の圧力を測定。
・大腸検査
浣腸をして排便した後、大腸に異常がないかを内視鏡でチェック
まだ年齢が若いこともあり、大腸の入り口付近のS字結腸までの検査
検査で異常がないことが確認できたので、いよいよ数日後に入院することが確定しました。
入院初日から手術まで
入院初日
初日はお昼ご飯を食べてから、病院に向かい入院することになりました。
レンタルした病衣に着替え、その後は簡単な問診でその日は終了。
夕食はオペ前ということもあり軽食(お粥・鶏肉の炒め物・お吸い物など)です。
夕食以降の食べ物は禁止。飲み物は翌日の朝六時半まではOKでした。
夕食後、腸内を綺麗にするために下剤を飲みます。
下剤を飲んでから数回排便をする頃には固形の便が出なくなりました。
その日はそのまま普通に就寝です。
手術当日
手術は11時ごろの予定。
朝起きたら、腸内に溜まった残りの便を出すために、座薬をお尻にいれました。ただ先日の下剤で全て出し切ったのか便は出ませんでした。
そして手術着に着替えて、ついに手術へ。
手術室までは歩いて向かいます。
手術の流れ・内容
手術は下半身麻酔で行われます。
ベッドの横向きの姿勢に寝るとそのままベッドが起き上がり、腰の部分に麻酔が打たれます。(体はずり落ちないように看護師の方々に支えられています)
麻酔はグッと押されるような感覚で、それほど痛みはありません。
うつむせの姿勢にベッドが戻り、肛門が広がるようにテープでお尻をぐいっと引っ張られたまま固定され、手術が始まります。
心配していた痛みですが、何かの器具で引っ張られているような感覚(切除や縫合?)があったりするものの、麻酔のおかげで痛みは一切ありませんでした。
時間も麻酔を含めても10分程度で終わりました。流れ作業、というといい加減に聞こえてしまうかもしれませんが、それくらいスピーディーに患者さんが手術室に入っては出ていました。さすが人気病院。
手術後は麻酔が効いて動けないので、そのままストレッチャーで運ばれながら病室へ戻ります。抗生物質と水分の含まれた点滴をしながら、この日は1日中寝たままです。
術後数時間は水分の摂取が出来ません。ただ下半身が動かないだけで意識ははっきりしているので、スマホをいじったり、音楽を聴いたりして過ごしていました。
術後数時間後
麻酔が切れてくると、徐々にズキズキとした熱を持った痛みが出てきます。
ロキソニンや点滴の痛み止めを服用し、痛みを和らげながらどうにか1日を過ごします。
夜の食事はゼリーのみ。ただそれほど食欲もないので、十分でした。
立ち上がることができないので、トイレはベッドの上で尿器を使うことになります。
ただ麻酔の影響で下腹部に力が入れにくく、自力で出せない人も多いようです。
僕も出すことができず尿道にカテーテルを入れ、排尿しました。これはちょっと痛かったです。人によっては強い痛みを伴うらしく、同室の人は気合いで自分で排尿してました。
述語の痛みはとても耐えられない!!というほどではありませんが、重く鈍い痛みが続くのでなかなか寝付けず、この日は辛い夜を過ごしました。
術後1日目
痛みは継続してありました。やはり手術当日と術後1日目が痛みのピーク。
ただ術後の診察で患部に問題がないようで一安心。
1日ぶりの朝食はお粥。昼からは通常食になりました。そしてその日の午後からは院内を少し歩いたりできるようになります。
まだお風呂に入れませんでしたが、座浴をするように指示されます。
座浴とは、洗面器などにお湯を張り、お尻を清潔に保つとともに、温めることで痛みの緩和・治癒に効果があるようです。
僕が入院した病院ではトイレで利用できる専用トレイを購入し、座浴ができる仕組み。
ちなみに術後は多少の血や膿のような汚れが出るので、お産用パッドを下着につける必要がありました。こんなやつです。
飲んでいた薬は以下の通りです。
軟便剤x3
抗生物質x3
痛み止めx3
ロキソニン(痛みがひどい時のみ服用)
排便は前日までに腸の中身を空っぽにしておいたのでありませんでした。
術後2日目
痛みは前日と比べると幾分マシにはなりましたが、まだ痛みます。
痛み止めのロキソニンは限度内の1日3錠服用してました。
術後初めて小指の先程度の便が出ました。排便に伴い、ちょっとだけピリッとした痛みがありました。まだ排便が怖くて不安になります。
そして2日ぶりにお風呂に入ることができました。お尻を温めることは痔に良いので、入浴も治療の一環です。
この日までは排便がなくても問題ないのですが念の為、軟便剤が寝る前に一包追加になりました。
術後3日目
この辺りから痛みはだいぶ和らぎ始めました。
ロキソニンも1日3錠飲んでいたのが2錠で足りるようになりました。
朝食後に2回ほど小指くらいの便があり。あまり便が出ないと、便が硬くなってしまうのではと不安になってきます。
しかし、昼食後に初めてまともな量の便が出ました。いきむのも恐る恐るでしたが、それほど大きな痛みもなく排便できたので一安心でした。
術後4日目
経過は良好。
お昼過ぎに血液検査を行い、その数値を見て退院日を決めることに。
この日は排便が出なかったので、腸を刺激して便を柔らかくするビーマス配合錠という薬が寝る前の薬に追加されました。
排便したい欲求はあり、いきめば出そうでしたが、強くいきむのは厳禁なので無理はしませんでした。
術後5日目
朝食後に念願の排便があり一安心。
排便時の痛みもさほどなく、手術前の方が痛かったくらいです。
血液検査の結果、異常もなかったので三日後の退院が決まりました。
そろそろ入院にも飽きてきていたので嬉しかったです。
痛みに関してもこの頃にはもうだいぶ改善され、この日からはロキソニンを飲まなくても大丈夫になっていました。
術後6〜8日目
これ以降は安静に過ごしていただけで大きな変化もなく、術後8日目で無事退院することができました。
痛みについて、そして手術を終えての感想
術後数日は何もしていなくてもズキズキするような痛みがしばらくは続きました。
耐えられないような痛みではないのですが、やはり少々辛かったですね。
痛みのタイミングとしては肛門が収縮すると強い痛みを感じます。咳やくしゃみをすると痛かったりします。
文章だとわかりづらいのですが、おしっこをしているときに、長いおしっこだと途中で一呼吸おきますよね? そのときに肛門が閉まるのわかりますか? あのときに痛みます。
だからおしっこするときは一気に出そうとするのではなく、いつもより一呼吸おく間隔を増やすと、収縮が弱めで済むので痛みが抑えられます。
豆知識として覚えておいてください!
ただ術後数日もするとだいぶ痛みも大分和らぐのは嬉しいですね。同室の患者さんの反応も同じような反応でした。昔は痔の手術にはもっとひどい痛みが伴ったらしいので、技術の進歩に感謝。
痔の治療は手術後も続く
手術を終えて一安心、ではありますが大切なのはむしろ退院後です。
まだ傷は完全に癒えたわけではないので、今後も適切な排便コントロールを維持していく必要があります。
退院から2ヶ月半ほど定期的に通院を行い、ようやく通院も終え、現在では普通の生活ができています。
ただ病院には再入院している患者さんも見かけたので、そうならないように適切な排便方法、正しい食生活をしていかないといけません。