カイジの著者である福本伸行の伝説の漫画「天〜赤木しげる葬式編〜」のドラマ化が決定し、2019年12月28日(土)深夜0時55分より放送された。
※現在は動画配信サイト「パラビ」で配信中。初回登録は2週間無料体験ができるので、無料視聴可能です!(パラビ公式サイト 天 赤木しげる葬式編)
僕が人生のバイブルにしている「天-天和通りの快男児」の最終章を描いたこのドラマをカイジ・福本伸行ファン、いや全国民に見て欲しいんです。
え〜でも天って麻雀マンガでしょ? 麻雀わかんないよ
とか、
一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし…。
とか色々断る理由はあると思うが、まぁ待って欲しい。
確かに天は麻雀知識がないと流石に読みづらい。だけど最終章に関しては麻雀が分からなくても全然楽しめる。
なぜなら麻雀が一切出てこないから。
麻雀マンガの最終章としてそれってあり!?ってことが実現してるマンガ、それが天であり、俺らの福本先生の為せる技。だからこそドラマを福本伸行が好きな人にはどうしても見逃して欲しくないのだ。
タップできる目次
天-天和通りの快男児とは?
「天-天和通りの快男児」は漫画家福本伸行の出世作。
この作品がヒットしたからこそ、カイジを始めとするたくさんの名作が生まれたと言っても過言ではない。
天は既に全12話でドラマ化されており、「葬式編」は12月に放送されるのは特別編のスペシャルドラマ。
実は福本作品の代表キャラである赤木は、天で初登場したのをご存知だろうか?
赤木は「引退した伝説の雀士」として天で初登場し、それが人気となってスピンオフの形で漫画化したのが最近ようやく完結した「アカギ」なのだ。
そして天の最終章である「赤木の葬式編」は誇張抜きに漫画誌に残る伝説。
福本伸行の死生観・人生観・哲学がこの最終章に全て凝縮されている。
最終章を抜きにして福本伸行について語ることは決してできない。
赤木しげる葬式編とは?
「猿の惑星は実は地球」レベルのネタバレで恐縮なのだが、この最終章で赤木は絶命することになる。
この赤木の死は福本ファンにとってもはや神話。
2009年9月27日、赤木の十回忌として開催されたイベントに2000人超の参列者が訪れたことでもその絶大な人気がわかるだろう。
死後のキャラでそこまで追悼されるキャラってあしたのジョーの力石くらいじゃないだろうか。あとスト様かな。あーんスト様が死んだ!
赤木しげる葬式編はそれほど多くの人々に深い影響を与え続けている名作なのだ。
タイプ別 「天-天和通りの快男児」を楽しむ方法
でもみなさんが忙しいのは十分承知しています。
今から漫画を全巻読んだり、ドラマを全話見返すのはしんどい…という方もいるでしょう。
そこで、ドラマ「天〜赤木の葬式編〜」を楽しむためのおすすめのモデルケースをいくつかご案内。
どの方法でも必ずドラマを楽しめるはずなので、自分に合った方法を選んで欲しい。
漫画全18巻を読み切ってからドラマ「天〜赤木しげる葬式編〜」視聴する
おすすめ:☆☆☆☆☆
難易度 :☆☆☆☆☆
やっぱり一番おすすめなのはこれ。
ドラマでは尺の都合でカットされている名シーンがどうしてもあるので、漫画版を一度読んでおくのが理想。
それにドラマ版ならではの追加シーンや演出がわかるのもいい。この追加シーンがいいのよ…
ただ、最終章まではひたすら麻雀尽くしなので、麻雀が分からない人には苦行。
麻雀のルールがわかって、時間がある方におすすめ。
ドラマ全12話を見てから、「天〜赤木しげる葬式編〜」を視聴する
おすすめ:☆☆☆☆
難易度 :☆☆☆
これもかなりおすすめ。
ドラマの完成度は非常に高いので、飽きることなく楽しめます。
全12話と聞くと多いですが、1話25分なので案外さくっと見れます。
麻雀のルールがわからない問題ですが、映像だと案外なんとなく見れてしまうので雰囲気で楽しめるのもメリット。
なんかよく分からんけどピンチもしくはチャンスなんやな、くらいの感覚で見てればOKです。
「天〜赤木の葬式編〜」は当然出てきたキャラが再登場するので、違和感なく葬式編が楽しめるので、これが一番おすすめの視聴方法かも。
現在は動画配信サイトのパラビで配信中。初回登録の方は2週間無料体験キャンペーン中なので、無料で見ることもできますよ!(パラビ公式サイト 天 天和通りの快男児)
「天〜赤木しげる葬式編〜」だけをドラマで視聴する
おすすめ:☆☆☆
難易度 :☆
やっぱりこれが一番簡単かつ手軽です。
あんま興味ないけどお前がそこまでいうなら試しに見てやるか、くらいの人にはこれがおすすめ。
もし見てくれるならそれだけで焼き土下座したいくらいです。
圧倒的感謝…!!
「天〜赤木しげる葬式編〜」あらすじ・解説
ただいきなり「葬式編」だけ見ても、さすがに話の流れが分かりにくいと思います。
そこで簡単に葬式編のあらすじ・登場人物・背景についてご説明。これさえ読めば葬式編だけ見ても大丈夫!!
まずは公式のあらすじを。
死闘ともいえる東西戦から3年。井川ひろゆきに、赤木しげるの告別式を報せるメールが届いた。
参列後に「親しい者たちで通夜を執り行う」と言われ、戸惑うひろゆきの前に現れた“喪主”は、赤木本人!呆然とするひろゆきに、赤木は「俺はあと数時間のち、死ぬ手はずとなっている」と告げる。
集められた天貴史ら東西戦で相まみえたメンバー一人ひとりが、赤木と最期の対峙を繰り広げる…。(公式サイトより引用)
赤木はアルツハイマーの病に侵されており、余命わずかであることを戦友たちに知らせる。
赤木は全ての記憶を忘れてしまう前に自らの命を断つ(安楽死)ことを決意。最後の言葉を交わすために集められた仲間たちは、赤木と最後の対面をする。
というのが話の本筋。
あらすじに出てくる東西戦というのは、ドラゴンボールでいう天下一武道会みたいなもん。
赤木の行動を悟空で例えるなら、
オラ、アルツハイマーで死ぬメェに今まで戦ってきた奴らと天下一武道会やりてぇ!
みたいな感じだと思ってくれればいい。
最後に熱い時間を共有した仲間・敵たちと語らい、逝くことを望んだ赤木の物語、それが「天〜赤木の葬式編〜」である。
あらすじを理解したところで、次は登場人物紹介。
東軍(赤木の仲間)
天(岸谷五朗)
本作の主人公。義理人情に篤く、人望がある。
博打の才は本物で、アカギに一度ではあるが勝利したこともある実力者。
優しさで周囲の人間を惹きつけるその魅力は、孤高のカリスマ性を持つ赤木とは対極的ともいえる。
赤木しげる(吉田栄作)
伝説の麻雀士。既に引退していた身だったが、天との出会いをきっかけに再び勝負の場に降り立った。
「葬式編」では難病のアルツハイマーに侵されており、既に簡単な計算すらできなくなっているが、奇跡的に知性・品格はまだ失われていない。
全ての記憶が失われる前に、自らの命を断つ(安楽死)ことを決意した。
ひろゆき(古川雄輝)
天と行動を共にする若手麻雀士。優れた知性を武器に闘う理論派。
ただ真面目すぎるが故に応用力や機転に欠け、勝負では敵の術中にハマってしまうこともしばしば。
東西戦の戦いでかなりの成長を遂げるも、尊敬する赤木や天の麻雀にはとても及ばないことを痛感。深い挫折感を抱きながら日々を過ごしている。
銀次(田中要次)
仲間①。
健(星田英利)
仲間②。
西軍(赤木の敵)
原田(的場浩司)
関西有数の暴力団の組長。麻雀では赤木の再来とも言われるほどの強さを誇る。
東西戦では西側のリーダーとして戦い、天との最終勝負に惜しくも敗れる。
僧我(でんでん)
赤木と並ぶ裏世界の麻雀界最強の男。十数年もの間、無敗で君臨し続けた実力者。
神格化されている赤木をライバル視している。
「赤木しげる葬式編」の見所
あまり見る前から見所を押しつけるのもどうかと思うのですが、漫画やドラマ本編なしで「葬式編」だけを見る人のために知っておくとより楽しめるポイントを。
老年赤木について
天に出てくる赤木(老年赤木)は漫画「アカギ」に出てくる赤木(青年赤木)と比べると、だいぶ落ち着き持ったキャラクター。
死を前にして仲間たちに訥々と語りかける死生観・人生観は多くの人たちに何かしら響くものがあると思う。
赤木しげるという男の理想系のようなキャラをクールに、それでいて熱く演じる吉田栄作の演技力にも注目。
ひろゆきの苦悩・無力感について
ドラマは東西戦から3年後の設定だが、漫画版では9年もの歳月が流れた後の設定。
ドラマでは麻雀を続けているひろゆきだが、漫画では東西戦後、麻雀を引退し普通のサラリーマンとして過ごしていた。
それは赤木・天の麻雀があまりにも自分とはかけ離れた次元にあることを悟り、絶望してしまったから。
冴えない毎日をただ燻りながら過ごしていた時に赤木の訃報を知ることになった。
このあたりの背景を把握しながら赤木とひろゆきの対話を聞くとより楽しめると思う。
まとめ
色々と語りたい部分はあるのですが、ネタバレしてもあれなのでこのあたりで。
僕が「天 葬式編」に出会ってから10年以上経つ。
この伝説的な名作が、麻雀漫画の最終巻に収録されているせいで人目に触れにくくなってしまっているのを非常に残念に思っていた。
「これが映像化したら最高なのにな、でも無理だよな…」
なんて思っていた。
しかしまさかそれが現実になるなんて。
安楽死という誤解を招きかねない繊細なテーマである本作をドラマ化することは本当に難しかったに違いない。
個人的には奇跡のようなドラマ化だと思ってる。
だからこそ一人の福本ファンとして、一人でも多くの人にこの葬式編を堪能して欲しいと思い解説記事を描いてみました。
そして是非ともドラマのあとは漫画版を読んでみて欲しい。
福本伸行先生の全てがここに詰まっている。そう思わせる漫画です。
(漫画版の葬式編は16巻〜18巻に収録されています)