いま少年誌でラブコメが熱い。
「勉強ができないヒロインたちに勉強を教える」という設定が丸かぶりな漫画がジャンプとマガジンの双方で連載されているのである。
それがジャンプで連載している『ぼくたちは勉強ができない』とマガジンで連載している『五等分の花嫁』だ。
『五等分の花嫁』は既にアニメ化が決定していたが、なんと8/27発売のジャンプにて『ぼくたちは勉強ができない』のアニメ化まで発表された。
この両作品、設定もかぶってるし、連載開始も共に2017年、そしてアニメ化までもほぼ同時期に発表。
ジャンプとマガジン。もうこれ完全に殴り合ってる。
いま、現在進行形で「勉強ができない系ヒロインラブコメ」というジャンルを通じてジャンプ・マガジンの代理戦争が勃発している。
ラブコメ好きの端くれとしてこの二つの漫画にフォーカスしないわけにはいかない。
先に言っておくと、どちらも本当に面白いのだ。
ぜひともどっちが好みか、みなさんもチェックしてみてほしい。
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ヒロインの比較
『五等分の花嫁』のヒロインたち
『五等分の花嫁』のヒロインはもちろん五つ子ちゃんたちである。
双子・姉妹に迫られるってのは男性が一度は夢見たことのある展開ですからね。
姉のほうと付き合ってるんだけど、
「やっぱお姉ちゃんじゃなきゃダメ・・・?」
とか涙目&上目遣いで妹に迫られたいのが男なんです。
女性たちよ。キモくてすまんな。
お前らの彼氏も絶対一度は妄想してるからな。覚悟しとけ。(なにをだ)
一花
ショートカットでお姉ちゃんポジ。
ちょっとSっ気があって主人公をいじってくるタイプ。
うーん。コニたん大好物!!!(満面の笑み)
二乃
ツンデレ。でも一番家庭的、で割と常識人ポジ。んで乙女。
姉妹のことを誰よりも大切にしてる。
うーん。コニたん大・大好物ですっ!!(超満面の笑み)
三玖
クールデレ。主人公のことを最初から「フータロー」とカタカナ読みで呼び捨てで呼ぶのがかわいい。
普段クールなのに、時折ふくれたり、笑ったり、表情が変えるのが愛らしい。
うほぉ! コニたんこういうのだいだいだーーいすきっ!!
(唇裂けそうなくらいの満面の笑み)
四葉
おバカさんな元気っ子。運動神経抜群で、困った人をほおっておけないめっちゃいい子ちゃん。
最初から主人公に協力的。物語にはこういう子が欠かせません。
だからこそこういう子ってラブコメ的にはなかなか恵まれないポジだったりするんですよね。
でも四葉ちゃんって時折大人っぽい表情を見せるんですよね。
それがなかなかニクイ。意外とダークホースかも・・・
五月
まじめ型不器用タイプ。責任感が強く、主人公とよく衝突する正統派ヒロインポジ。
主人公と最初に出合うのもこの五月だし、立ち位置も一番メインヒロイン級。
照れたり。
怒ったり。 表情豊かで愛らしい。
まじめで一生懸命なんだけど、なかなか報われない。
そういうところがいじらしくて可愛いです。
いやぁ五つ子ちゃんたち、マジぱねぇわ。かなり破壊力あるわ。
『ぼくたちは勉強ができない』のヒロインたち
対する『ぼくたちは勉強ができない』のヒロインはというと、
古橋文乃
黒髪ロングのおしとやか王道正統派か・・・と思いきや、ツッコミ・毒舌・貧乳となかなかの個性の盛り込みっぷり。そして極めつきは左目にある泣きぼくろ!!
いやぁ、泣きぼくろってなんであんなに素晴らしいんですかね。
芸術かな?
緒方理珠
感情に疎い系クールなロリ巨乳。ちょっとドジ。そして眼鏡とこちらも萌え要素の大盛りっぷり。
なるほど、ダブルヒロイン物ですか。王道っすね。さすがジャンプ!!
「いちご100%」の東城派か西野派で燃え上がった日々が懐かしいですわ。
南戸唯?
そんな子知りませんね。(ほんとは好き)
ただどうでしょう、このダブルヒロイン、ちょっと弱い感じするかなー。
どちらかというとラブよりもコメ要素が強いほうのラブコメなので、二人の濃密な恋愛感情とかを描くタイプの漫画でもない。
そうなると『五等分の花嫁』の五つ子ちゃんのキャラパワーに対抗できているかといったら、ちょっと厳しい?
まぁその辺はジャンプさんは当然織り込み済み。追加ヒロインです。
武元うるか
活発系幼なじみ系ヒロイン。水泳部ならではの日焼けあと完備。
しかも中学自体から主人公が好きという、いわば当て馬ポジヒロインです。
・・・ふーん。悪くないじゃん。
なんて平静装ってますが、コニシ、大好物です。はい。ベーネ。
個人的にはサブヒロインとか、報われないポジの当て馬キャラって大好き。
判官贔屓というか、報われないところがいじらしく辛抱たまらんというか。
あぁ、コニ君報われない恋ばっかしてるから共感できるもんね。
ほっとけ。
しかし、それでもまだ五つ子ちゃんとやり合うには・・・むっ!?
ツンツン猫系お団子美少女!!
クールドジ系残念先生!!
小動物系S属性ロリ先輩、あしゅみーこと小美浪あすみ先輩!!
&メイド!!!! デコ! DEKO! 凸!!
ロリでいじってくれる!しかも年上!!
口は悪いが根はいい子!!
あ・しゅ・みー! あ・しゅ・みー! A・SHU・MI-!!
ふぅ・・・・・・
なるほど、サブヒロインを乱立させて補う形か。
ほほぅ・・・・・・やりおるな・・・・・・
『五等分の花嫁』は五つ子という魅力的な設定だが、どうしてもその設定上、
「ヒロイン達のルックスが似通ってしまう」という弱みがある。
対して『ぼくたちは勉強ができない』は、サブヒロインを含めた多様性でルックス・キャラクター性に幅を持たせているのがストロングポイントです。
え、一部キャラに圧倒的に画像が多くないかって?
気のせいっしょ。
「ギャルゲーだったら絶対あしゅみー先輩一択だわ」
「サブキャラ扱いで攻略対象じゃなかったら発狂モンだわ、クラナドのゆきねぇじゃねぇんだから」
とか思ってないっす。
それにゆきねぇは一応ルートあるし。そこ譲れねぇから。
両作品のヒロイン対決ですが、メインヒロインだけでみると『五等分の花嫁』に軍配があがる(まぁ数の優位性もあるし)かなぁと思いますが、サブヒロインも含めれば、今のところ引き分けといっていいでしょう。
主人公について
やっぱ大事です。主人公。
ラブコメで一番といっていいほど問題になるのが、
主人公にイライラさせられる問題。
である。
いますよね。うだうだグチグチ捻くれた主人公。
頼むからそんなところだけリアルに俺らをトレースするんじゃない。
ラブコメの主人公の理想はほどよく冴えなくて、自分を投影でき、かつ素直にヒロインとの恋を応援できるような人間であってほしい。
欲を言えば彼女たちとの出会いを通して成長してくれるようなキャラクターだと最高ですね。
ここの成長面にフォーカスを当てすぎると、うざい主人公ができあがってしまったりしますから注意して欲しいですが。
主人公のキャラクターはラブコメ漫画家の腕の見せ所かもしれませんね。
『五等分の花嫁』:上杉風太郎
勉強だけが取り柄の無愛想・朴念仁クールタイプ。
『ぼくたちは勉強ができない』:唯我成幸
努力家で面倒見がよく、優しい系天然女たらしタイプ。どちらもラブコメ主人公としてはスタンダードな形ですね。
「五等分の花嫁」の主人公はツッコミSタイプ、『ぼくたちは勉強ができない』の主人公はボケM体質。
この両主人公、実はかなりキャラ背景がかぶってます。
①貧乏片親
『五等分の花嫁』は主人公の母親が既に他界。家が貧乏
『ぼくたちは勉強ができない』の主人公は父親が既に他界。家が貧乏
貧乏設定の辻褄合わせなのか、ともに片親設定。
ここまで似通っていて、スレスレで被ってないのがすごい。
②妹
ラブコメの家族といえば、もちろん「妹」ですよね。
当然いますよ妹キャラ。
『五等分の花嫁』の妹:上杉らいは
面倒見いい愛らしい妹。
主人公がシスコン。仕方ないね。こんなかわいいから。
『ぼくたちは勉強ができない』:唯我水希
ブラコン妹。お兄ちゃんにベタベタ系。
こちらも見事に設定は似通ってるのに、被ってない。
なんなの? 談合なの?
ここまで二つの作品で対比できるのは本当に驚き。
どっちの主人公が好みかどうかはこれは好みでしょうが、どちらもクセがなく、よいラブコメ主人公だと思います。
それぞれの作品の見所・魅力
両作品をラブコメジャンルの中で更に分類するとしたら、
『五等分の花嫁』がラブラブコメで、
『ぼくたちは勉強ができない』はラブコメコメです。
意味わからんて? どっちの要素が多いかってことだよ!!
『五等分の花嫁』
『五等分の花嫁』が素晴らしいのが、第一話のヒキの強さ。
これはかなり練り込まれてる。
初っぱなからヒロインの花嫁姿。
つまり二人が結ばれることは固定路線。
でもそれが誰なのかがわからない。なぜなら彼女たちが五つ子だから。
そりゃ最終的にはメインヒロイン格の五月なんじゃないのって普通はそう思いますが、わかりませんよ。
『いちご100%』だって普通に考えたら東城ルートだったでしょ。
南戸唯? そんな子知りませんね。(もっとちゃんと活かしてあげてほしかった・・・)
全員ドレス姿で最終回・・・とかありがちですけどね。できれば避けて欲しいかなぁ。
そんな「刑事コロンボ』的なネタバレのあと、五つ子たちの出会いへ。
たった一話で五つ子それぞれの個性が見事に表現されてる。こんな一話読まされたら、毎週読むの確定っすわ。
そして『五等分の花嫁』の魅力はなんていっても、五つ子たちの主人公への淡い恋心と、姉妹同士の葛藤や逡巡。
当然ヒロインの五つ子ちゃんたちは主人公の風太郎に恋心を抱くことになるんだけど、それは他の五つ子たちも同じ。姉妹で同じ人に恋をするということ。
恋だけでなく、姉妹愛とも向き合うことは必然で、それぞれの悩みや感情が交錯していく。
そのあたりの繊細なヒロインたちの感情の描写が実に見事で、これは作者の春場ねぎさんって女性かな?と思ってしまったくらい。(実際は男性)
設定は五つ子という面白設定ではあるけれど、やってる内容は非常に正統派ラブコメ。
つまりラブラブコメ。
彼女たちが風太郎くんに恋に落ちる描写が非常にいい。萌えとかでなく、普通にいいんだよ。
これぞラブコメの王道的ときめき。
特に一花のシーンはほんと好き。あれはまじで堪えた。
でゅふwwwむほぉwww ってなっちゃう。
あえて多くは語らない。ぜひ読んでくれ。
そして当然ながら春場ねぎ先生の描く五つ子ちゃんたちがめちゃくちゃ可愛い。
はい! 文句なしっ!! 100点!!
『ぼくたちは勉強ができない』
対する『ぼくたちは勉強ができない』の魅力は、やはりコメディ寄りのラブコメ、ラブコメコメならではの、お色気シーンの多さです。
お風呂・お風呂&お風呂。
しずかちゃんかな?ってくらいお風呂入ります。
なんなの、君たち潔癖症なの・・・?
そのほかにも水着・パジャマ・下着と、とりあえずラブコメの定番はだいたい攻めてきます。こちらもある種の王道、いや覇道を征ってます。
健全なお色気シーンっていうのは『To LOVEる』しかり、ジャンプのラブコメの定番ですね。
『ぼくたちは勉強ができない』にはラノベやギャルゲー的な萌え要素がふんだんに盛り込まれており、萌え特化型の今時のラブコメといえます。
可愛い女の子を見ながらくすっと笑えて、ちょっとトキメキもくれるのが魅力です。
そしてやっぱりサブヒロインの魅力。
あしゅみー先輩・・・しゅきぃ・・・
勝敗を分けるとすればメインヒロインか。
ここまで両作品の魅力について語ってきましたが、同じような設定のラブコメなのに、持ち味や魅力が全然違うのがいいんですよね。
いまの段階ではどちらのラブコメが素晴らしいかは甲乙つけがたいところです。
しかし、もしこの2作品の勝敗が決する要素があるとするならば、それはやはりメインヒロインと主人公との関係・恋愛をどう描けるかに懸っていると思います。
僕の指すメインヒロインとは『五等分の花嫁』だったら五月、『ぼくたちは勉強ができない』だったら古橋文乃です。
五月のほうはというと、まだ風太郞との直接的な恋愛描写はいまだ描かれていません。
メインヒロイン然たる風格を宿しながら、まだまだ五月が主役になるのは時間がかかりそうです。
対する古橋文乃も、見た目は正統派ヒロインだけど、現状は他のヒロインの恋の手助け役としてポジションをこなしていることが多い。
こういうポジって本来は当て馬キャラが担当する役割なんですよね。
文乃はメインヒロインなのにかなりいろいろな役割を与えられています。
残念系要素・毒舌・突っ込み・恋の進行役と大活躍の文乃ちゃん。
文乃ちゃんとのラブコメをどう料理していくかが、『ぼくたちは勉強ができない』が素晴らしいラブコメに昇華するかの分かれ目になりそうですね。
この二人のキャラをどう描いていくのか。
2つの作品の分水嶺となるでしょう。今後の展開に非常に注目です。
このラブコメの波に乗り遅れるな。
ここまで記事を読んでくれていて、なお両作品を読んだことがない方はアニメ化を機に、ぜひ原作を読んでみて欲しい。
2018/8現在、『五等分の花嫁』は5巻、『ぼくたちは勉強ができない』は7巻と、いまからでも全然追いつけるし、どちらもラブコメ好きなら十二分に楽しめる出来映えになっている。
なかなかここまで設定が被り、なおかつライバル紙で連載が続いているシーンにはなかなか出くわせない。
漫画好きはこのラブコメビッグウェーブに乗り遅れるな。
二つの漫画のガチンコ勝負に注目していこう。
そして叶うことなら、サンデーにも”勉強ができないヒロインラブコメ”戦争にぜひとも参戦して欲しい。時期を逸しているかもしれないが、まだ間に合うはずだ。
少年誌の三つ巴のラブコメ対決。
ぜひ期待したいと思っているのは僕だけじゃないはずだ。
『五等分の花嫁』はスマホ漫画アプリの「マガポケ」で読むことができますのでぜひ。
アニメ化の記事はこちらもどうぞ。