日本に共感と反感を巻き起こした恋愛ソングといえば、なんといっても西野カナの『トリセツ』だろう。
この曲を聴いた男性の100%が思ったこと。それは間違いなく、
うわ、めんどくせ~。
この一言に尽きる。
自分で面倒な女を自覚してるくせに、そのままの自分を受け入れろ、そして永遠に愛せという傲慢さに溢れた歌詞。
まーうざい。ありえないくらいにめんどくさい。
ここまで男性に嫌悪感を抱かせるラブソングを歌える人はなかなかいない。
「こんなめんどくせぇならもう一人でいるわ」なんて一部の男性から恋の意欲を奪った恐ろしい魔曲。
そんなめんどくさい女ソングダービーで独走している『トリセツ』だが、その独走に待ったをかける曲があるのをご存知だろうか。
それがコレサワが歌う『あたしを彼女にしたいなら』である。
『トリセツ』のようなあからさまにめんどくさいわけではないが、歌詞の端々で
「あ、この女めんどくさいやつだ・・・」
と感じさせる要素がいたるところに散りばめられている。
コレサワのめんどくささは、西野カナとは別のベクトルのめんどくささ。
西野カナがうざい陽なら、コレサワはうざい陰。
西野カナが浜崎あゆみ派だった人間で、コレサワは倉木麻衣が好きだったような奴。
西野カナがコロコロコミック派だとしたら、コレサワはクラスの隅っこでボンボン読んでたような奴。
やだ・・・ボンボン派とか絶対めんどくさい。(ソースは俺)
どちらもめんどくさい女ソングだが、二人のめんどくささはあまりにもかけ離れている。ここに女心の機微がわかる秘密があるかもしれない。
そこで今回はこの二つの音楽をメイン教材に女心を研究していこう。
はいここテストに出るぞー。上の二つの動画を少なくても10回ずつは再生しとけー。
ちなみに漫画で女心を知りたい人はこちらの記事もぜひ。
他の西野カナの曲の歌詞についてはこちらもどうぞ
https://www.koni-wakka.com/entry/2019-01-09-223853
タップできる目次
二人のめんどくささの比較
では早速二人のめんどくささを対比しながら検討していこう。
①永遠を求めるのが西野カナ、永遠を否定するのがコレサワ
あたしを彼女にしたいなら 永遠なんてアウトワード
コレサワ、冒頭の歌詞からぶっ放してる。
しょっぱなから西野カナの『トリセツ』の世界観を百パーぶった切ってくる。だってトリセツなんて、
ずっと大切にしてね 永久保証の私だから
自分から永遠押し付けてますから。
冒頭のこの歌詞はラップ風にいうなら相当なパンチライン。
コレサワの歌詞にはこういうインパクトのある言葉が多いですが、ここの歌詞は確実に『トリセツ』を意識してる。
この歌詞はコレサワの怒りというか『トリセツ』みたいな女性が一般的だと思われていることに対する不満を綴った歌詞。
そんな女ばかりじゃねぇぞ!! 馬鹿にすんな!!
みたいなね。まぁそれはそれでちょっとめんどくさいんですけど。
②夢を見せてほしいのが西野カナ 現実的なのがコレサワ
西野カナの歌詞の根本にあるのは徹底的なお姫様・ヒロイン願望。
もしも涙に濡れてしまったら
優しく拭き取って
ギュッと強く抱きしめて
あなたにしか直せないから
あなたと出会えたことは奇跡だし、あなたと一緒になるのは運命だし、そしてあなたは素敵な王子様で、わたしをお姫様として丁重に扱うことを求めてる。
西野カナ型の女性にはこういう乙女糖分を定期的に投与してあげないとダメ。
さもないと暴れます。
対するコレサワはというと、
あたしを彼女にしたいなら 夢ばっか見せないでね
とかなり現実的。
(このばっかの部分がコレサワを語る上で重要なのだが、それは後述)
男性へのルックスの注文も、
身長は152cm
それ以上あればOK
尖ってるクツはやめてね
スニーカー履いてデートしよう
この通り控えめ。
コレサワ型の女性は自己評価もそれほど高くないのか、あまり相手に求めすぎるのも分不相応だろ、なんて意識を感じさせる。
男女問わずに、相手への要求だけ立派な人いますよね。その前にお前のツラと体型と性格どうにかしろやボケ。みたいな人。
コレサワ型の女性はそういう要素がなさそうでいい。
なおかつ、価値観に対しても寛容で、
好きなものが一緒よりは
嫌いなものが一緒のほうがいいな
この歌詞からも男に対して王子様よりも、隣にいて心地いい人を求めていることが伺えます。
③サプライズを喜ぶ女が西野カナ、サプライズを嫌うのがコレサワ。
女性ってプレゼント喜ぶイメージありますね。
もちろん『トリセツ』にもありますよ。プレゼントにまつわる歌詞が。
意外と一輪の花にもキュンとします。
何でもない日の ちょっとしたプレゼントが効果的です。
いやいやいや、一輪とか逆に花束よりムズいんですけど。
クサいことが苦手な男性からしたらかなりキツいですよ。これは。
だいたい花を渡す男性ってタキシード仮面くらいしか知らないんですけど。
います? そんな仮面かぶった男性身近に。
でもまぁ一輪の花ってのは例えであって、些細なものでも気持ちがこもってればうれしいのよって意味だと捉えれば、まぁありかな。
それくらいなら好きな女性のためならやぶさかじゃない・・・なんて思っていた矢先、次の歌詞ですぐさま、
センスは大事
ふざけんな。
センスのいい一輪の花プレゼントできて、やっと”意外”とキュンとすんのかい。
カナちゃん、あなたの平常のキュンって相当高い位置にありません?
対してコレサワはというと、
「生まれ変わっても一緒」
「この手は離さない」とか
ダサイからマジでいらない
いわゆるクサい行動はやめてね、マジイタイから。と釘を刺してくる。
この手の女性にフラッシュモブでプロポーズとかやっちまった日には、
うわ、サムい、キモい、ありえない。
というか私がそういうの嫌いだって知らなかったの?
付き合って2年も経ってるのに?
そんな簡単なことすらわからないの?
あぁこの人、私のこと全然理解してくれてなかったんだ。
私のこと尊重してくれてると思ってたけど、この人はただ自分のやりたいことをしていて、たまたまそれが私にとって丁度よかっただけなんだ・・・ヤダもうマヂムリ。
一気にめんどくさい女モード確変突入しますから気をつけましょうね。
あからさまにめんどうなのが西野カナ。隠れめんどうなのがコレサワ。
二人の女性の特徴を比較してみると、はっきりと
こいつ、マーーージめんどくせぇ!!
と感じるのはやはり圧倒的に西野カナ型の女性だろう。
おおむね男性の愚痴でよく出るのも西野カナ型女ネタが多いですよね。
何故か急にキレてくるとか、
何かする際に平気?大丈夫?って事前に相談して、大丈夫って言うからしたのに、なぜか不機嫌になってたり。
…なんなんですかマジで?
あ、実体験とかじゃないです。
ただ本質的にどっちが面倒かと問われれば、僕はコレサワ型女のほうだと思う。
ただでさえ女性というのは、いろいろと察してあげないといけない生き物なのに、コレサワ型の女って更に“曖昧さ”という非常に厄介かつ複雑な理解を求められます。
たとえば、
あたしを彼女にしたいなら 夢ばっか見せないでね
あたしを彼女にしたいなら 割り勘ばっかは嫌
夢ばっか見せられても困るけど、適度には見せてね。
割り勘は構わないけど、ばっかはなしよ。適度にはごちそうしてね。
というスタイル。このように曖昧さを残すのがコレサワ流めんどくささ。
いや、そういうのわからんて。
さらに、
「生まれ変わっても一緒」
「この手は離さない」とか
ダサイからマジでいらない
といっておいて、次の歌詞には
映画の予告で泣いちゃうくらい
泣き虫ですけどいいですか?
とくる。
でましたよ、コレサワ女の真骨頂のめんどくささ。
ロマンチックな行為がサムい、イタいと言ってる女が映画の予告なんかで泣くなよ。
そっちのがめちゃくちゃサムくてイタいじゃねぇか。
だって別の曲の歌詞とはいえ、「私が好きな映画は園子温の『恋の罪』」なんて歌ってるんですよ?
園子温の映画好きな奴が映画の予告だけで泣かねぇだろ、おい。
そんなのギャップというか、もはや矛盾でしかないわ。
コレサワの楽曲を聴いて感じるのが、こういう曖昧な行動や感情が非常に多いこと。
浮気したいわけじゃないけど、彼氏はいないと言っちゃった曲とか、
あなたが始めようとしている恋に気づかないふりしちゃったりする曲とか。
狙ってんのか天然なのかはともかく、完全にオタサーの姫要素もってます。コレサワ。
こういう女を好きになると大変ですよほんま。
実体験とかじゃないです。
二人のめんどくさい女の一致するところ
二つの曲の比較によってめんどくさい女にも多様な種類があり、一概に何が正解なのかはなんとも言えないというのがわかる。
しかし同時にどちらの面倒な女も一致しているポイントがある。
男性諸君、このポイントこそ重要なのだっ!!!
この共通項を守れば、大抵の女性からは好意的な印象を与えることができるはずだ。
①特別な日はちゃんとしてほしい。
これは完全に一致している。『トリセツ』では
たまには旅行にも連れてって
記念日にはオシャレなディナーを
柄じゃないと言わず
カッコよくエスコートして
『あたしを彼女にしたいなら』でも
ちゃんと特別な日には
新しいもの見せて
やっぱり女性というのは特別な日にはちゃんとして欲しいようだ。
西野カナタイプの女性には大々的にやってあげたらどうだろう。きっと喜ぶ。
繰り返すがコレサワ系の女子にはフラッシュモブのようなことは厳禁だ。
あっさりと、でもいつもとちょっと違うデートを演出してあげるべきなんでしょう。
あー、めんどくせぇ。
②自分を受け入れて欲しい。寛容な心を女性を求めている。
『トリセツ』
こんな私だけど笑って頷いて。
永久保証の私だから。
『あたしを彼女にしたいなら』
こんなあたしでもいいなら
今日からよろしくね
いつか終わりがくることを
心得て愛してね
西野カナ型の女性は、
「面倒な女ですけど、否定せず笑って頷いて。直す気はないけど」
というスタンス。
コレサワ型の女性は、
「私は面倒な女なんだよ。だからそれを理解した上で一緒にいてね。直す気はない、というか直せないから」
というスタンス。
どちらにせよ二人とも自分という存在を受け入れて愛してね。
それが私なんだよ、という想いは共通である。
男の器というものが試されてますよ。諸君。
③そしてやっぱり返却は不可。
『トリセツ』
一点物につき返品交換は受け付けません
『あたしを彼女にしたいなら』
君がいま持っている恋心
返却するなら今のうちよ
西野カナはもちろんのこと、コレサワも恋に発展したら、もう返却不可。
だからちゃんと考えてから私に手を出してね、というちょっと重めな主張。
男の器、というものが試されてますよ。諸君。
結論:面倒な所も愛しく想えるくらいの女性を選ぶようにしましょう。
とまぁ、かなりの女性の悪口めいたところを書き連ねてしまいましたが、叩かれる前に女性に媚びておくと、見方を変えればこういうところも可愛らしく愛らしいですよね。
こういうリクエストに応えてあげることで、愛した女性が喜んでくれる。
すばらしいじゃないですか。
その笑顔が見れるなら安いもんでしょ?
ねぇ男性諸君?
それができないなら女性と付き合う資格なんてないと思いますよ、えぇ。
(あまりにも遅すぎるフェミニスト発言)
二人の音楽について
ここまでずっと歌詞だけに注目してきたけれど、最後に音の部分に触れておく。
実はコニシは二人とも優れた一面をもったアーティストだと思ってます。
実際この記事を書くために上の2曲だけでなく、二人の曲をかなり聴いたけど、全然聴ける。むしろいい。曲によってはヘビロテできるくらい。
西野カナは流行りの音楽性を意識した曲調が多く、質も悪くないし、彼女自身の歌唱力においてもMr.Childrenの桜井和寿やサザンの桑田佳祐にも評価されているほどだし。
ただし歌詞は聴いてはいけない。
理解しようともしてはいけない。
日本語ではなくカナ語という言語だと思って聴いていればいい。
対するコレサワも歌詞のアクが強い分、非常に耳なじみのいい楽曲が多い。
コレサワは自身で作曲も行う正真正銘のシンガーソングライターで、非常に幅広い楽曲を制作している。
そこにはJ-POPという多様性のあるジャンルであることを利用して、チャレンジ精神をもって、気骨のある音楽活動をしたいという思いがビシビシ伝わってくる。
結構ロックな精神をもったアーティストなんだと思う。
基本的には女性向けの音楽を提供している二人だけど、たまには男性も彼女たちの歌に耳を傾け、新しい音楽を堪能してみるのもどうだろう。
結果的に女心を少しは知れるきっかけになるかもしれない。
え? でもやっぱり女の子にはもっと幻想を抱いていたい?
そんなやつは”Honye works”が作った楽曲でも一生聴いてろ。
Honey worksのことがもっと知りたい人はこちらの記事も。
「あたしを彼女にしたいなら」byコレサワを聞いて嫌悪感を非常に感じたので、ネットで検索したら、ここにたどり着きました。同じような感覚の人がいてくれて嬉しい。